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運転士一人ひとりが輝ける会社に。キャリアを活かして運行のすべてを支えるプレイングマネージャー【さっかん社員インタビュー】

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札幌観光バス株式会社
運輸部 部長
2014年4月入社

坂井 秀史
HIDEFUMI SAKAI

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北海道古平町出身。高校卒業後は運送会社に勤め、鮮魚などを全国各地へ運ぶ長距離トラック運転手として従業。観光バス会社への転職を経て、ヘッドハンティングで2014年より札幌観光バスに入社。2020年4月より同職を務める。趣味はゴルフと風景写真撮影。運行先で撮影した一枚がとあるコンテストで入賞した経験も。

※所属部署・本記事記載内容は2023年5月時点のものです

社会人としての自立を目指し、飛び込んだ運輸業界

私は4人兄弟の末っ子なのですが、兄3人が運送会社やバス会社に勤めていたこともあって、運転の仕事は私にとって身近なものでした。父親を早くに亡くし、少しでも家族の負担を軽くしたいという思いがあったので、高校卒業は運送会社に就職。小型車から大型車まで運転し、兄の影響からトレーラーの免許も取りました。仕事は楽しかったのですが、東京や大阪へ鮮魚を運ぶ長距離運転、荷物の積み下ろしがたたって腰を痛めてしまって。その後は、知人の紹介で北海道のバス会社に転職。大型二種免許を取得し、バス運転のノウハウやスキル、運転士としての仕事への向き合い方はそこで培われました。

今の時代じゃNGだと思いますが、当時は、車両の調子が悪いと夜中まで運転士みんなで修理に当たるようなこともありましたね。それも一つのチームワークの在り方というか。約16年勤務したのち、会社の体制変更で別会社に転籍。大阪で貸切バスの運転士も経験しています。

坂井運行部長が取材を受ける様子

札幌観光バスで運輸業界の新たな任務に挑戦

坂井運行部長が帰ってきた運転士と談笑する様子

その後のキャリアを考えて、再度転職を決意。札幌観光バスに入社するのですが、ここだけの話、その時は大阪と北海道のとあるバス会社の2社から内定をもらっていましてね。どちらにしようか悩んだりしていて(笑)。そんな時に、知人を介して札幌観光バスの福村社長と会うことになったんです。

業界を牽引できるような“優秀な運転士やバスガイドの育成”に力を入れたいと、札幌観光バスのビジョンを熱く語ってくれて。私の運転士経験と運輸業界の知識に期待してくれたのだと思いますが、話を聞いているうちに、私自身も新しい挑戦にワクワクしました。それで札幌観光バスに入社したというわけです。とはいえ、以前から札幌観光バス=運転のプロフェッショナル集団というのが業界では有名でしたから。まずは現場を知りたいと志願し、運転士として勤務を始めました。

新天地で業界のベテランに見えたもの、得たもの

その会社によって雰囲気や運転士の育ち方は違います。入社後すぐに感じたのは、どの運転士もスキルやプロ意識が高いなと。やはり噂通りでしたね。ただ一方で、それぞれが独立しているというか、ひとりで仕事をしているというか。個人プレーの傾向が強かったようにも思います。1年4カ月ほど運転士を務めたのち、運輸部の事務職に。運転士として働いたことで、現場の苦労や改善点を見極められたという収穫もありましたが、一番大きかったのは、周りが自分を受け入れてくれたことでした。

坂井運行部長が運行表を確認する手元
坂井運行部長が仕事をする様子

それまで事務職経験はゼロ。初めてのことに最初は失敗もありました。そんな時に、辛いことも楽しいことも一緒に共有してきた運転士たちがそっとカバーしてくれたりして。ありがたかったですね。こういう仲間がいるからこそ、“札幌観光バスのスタンダードを高める”という目標に向かって共に走れる今に繋がっているように思います。また、事務職に移ってからは、教育部分においても一から学ぶ必要があると感じ、エキスパートがいる名古屋・東京・京都の提携先に行き、イロハを教わるなどしてきました。

運転士の様子を常に見守るのが運輸部長の仕事

運輸部長の仕事は、分かりやすいもので言うと、「割付け」と呼ばれる運転士の運行配置の確認や国土交通省との連携・書類提出、運転士の指導といったところです。割付けはバス会社にとって肝となる部分で、お客様を乗せてバスを走らせるわけですから、安全や事故防止を第一にコントロールせねばなりません。運転士が運行行程に必要なスキルを持ち合わせているか、最近の勤務形態や体調は万全かなど、こまやかな配慮と気づきが必要です。割り付け作業は事務職の担当ですが、日々あがってきたもの・更新されたものを何度も確認する、これが私の一番重要な仕事と言えます。

教官に指導を受ける運転士

ここに“運転士の育成”というのが関わってくるのですが、同じ運転士に同じコースばかりを任せると、ほかの運転士が育ちません。成長度合いを見極めながら、少しずつ難度の高い運行を割り付けるなど工夫しています。まぁこの調整が難しくて(笑)。不安な要素がある時には外さなきゃいけないこともあるので、一生懸命な気持ちに水を差さないようにしているつもりです。

1日のうち午後はいろいろな相談に対応することが多く、運転士とのコミュニケーションをよくとっています。人手が足りないときにはバスを運転する日もありますよ。

坂井運行部長がバスガイドと話す様子

会社を超えて情報交換も。運転士育成者としての取り組み

坂井運行部長が資料をチェックする様子

意外かもしれませんが、業界では入社後1カ月程度で実際の乗務にあたるというところも少なくありません。ただ、弊社は最低でも3カ月は研修を行います。新入社員にはマナーなどの座学と技術研修、技術が整えば今度は地方などへ乗務する実地研修へ。先輩運転士も研修バスに同乗して新人の運転を見たり、逆に先輩が運転を見せるなどしてお互いに刺激し合う良い研修です。

現在の自社研修には私の考えや意見が反映されているのですが、これらの礎は、入社後に深く携わった人材育成プログラム事業にあります。道内のバス会社数社が共同で貸切バス業を担う人材を育てるという公的事業だったのですが、弊社が中心となって進めており、具体的なカリキュラム作りを私が担当させていただきました。事業そのもののコアとなる重要な部分だったので、かなり苦戦はしましたが、良いものが出来たと自負しています。この貴重な経験が私の育成者としての始まりであり、未経験者を育成して運転士に登用するという今の札幌観光バスの採用・育成スタイルに繋がりました。ただ、人も交通も時代とともに在り方は常に変化するもの。そのため、同じ考えを持つ同業他社の指導員と電話で情報交換をしたり、指導員が行き来するなどの交流も独自の取り組みとして、かれこれ8年ほど続けています。

たとえ指導が厳しいとしても、それはお客様と運転士を守るため

幸い弊社は無事故記録を更新していますが、事故は偶発的要因やミスで起こるものです。日頃からできることは、訓練と意識しかないと考えています。なので、運転士には自分の車を大切に乗るように会社のバスも大切に乗り、誰も乗っていないときもお客様が乗っていると思って運転するように指導しています。

水をなみなみと注いだコップを置いて山を下る走行練習や運行から帰ってきた運転士に今日の反省点を毎度聞くことに、厳しいと感じる人も中にはいるでしょう。でもそれは、安全運行に対する意識を持ち続けてもらうためです。バス会社としてお客様を安全に目的地までお届けするというのが第一ですが、直接指導に携わった運転士に事故を起こさせたくないという想いもあります。プレッシャーを与え過ぎないように気を付けてはいますが、研修や訓練ではつい熱が入ってしまう時もありますね。

坂井運行部長が電話している様子

運転士を束ねる部長として「運転士を支え後押しをしたい」

坂井運行部長が運転士と談笑する様子

他社や業界関係者から「こうするといいよ」とアドバイスをいただくこともありますが、札幌観光バスのルールや色があり、すべてが弊社に合うとは限りません。そのようなときは、運転士をメインに考え運営方法を決めるようにしています。改善にはスピード感も必要ですが、みんなで一緒に取り組めることが大切なんです。

そして積み上げてきた技術や信頼をキープし続けることが最も重要だと考えています。お客様に「札幌観光バスだったら安心だね」と思っていただける状態を維持していくこと。さらには、ここで働きたいと思われる会社、働く運転士が運行から帰ってホッとできる会社・帰りたくなる会社、周りから羨ましいと思われる会社でありたいですね。それにはひとりひとりの力が必要です。実際にお客様の前に立つのは運転士ですから、私自身は彼らを支え後押しをしたい。一人ひとりが光る存在になって欲しいといつも思っています。


ある日の1日の英字見出し
坂井運行部長のタイムスケジュール


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さっかんジャーナル編集部

日々お客様を全道各地へご案内する、札幌観光バスのスタッフによる編集チーム。
観光スポットや話題のグルメをはじめ、その地の達人から見聞きした小粋な話まで、とにかく情報量が豊富です。
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